Scientific Evidence

LISAスコアリングモデルの有効性を7段階の統計的検証で実証しました。
本ページでは検証手法・母数・結果を全て公開します。

01 — 検証の概要

検証対象銘柄
1,461社
JPX上場3,730社からランダム抽出
検証期間
2016-2024
4ウィンドウ x 5年保有
検証回数
7段階
段階的に仮説を精緻化
最終結果
上位33%
S/A維持銘柄の平均順位

検証の設計思想

LISAのスコアリングモデルが「偶然ではなく、統計的に有意に優良銘柄を選別できる」ことを証明するため、 7段階の検証を実施しました。初期の検証で見つかった限界を踏まえ、仮説を段階的に精緻化しています。 全検証はランダムシード固定(seed=42)で完全に再現可能です。

02 — 検証手法

データソース

  • • 銘柄一覧: JPX(日本取引所グループ)公式Excel(data_j.xls)
  • • 財務データ: J-Quants API v2(東証公式データプロバイダ)
  • • 株価データ: J-Quants API v2 日次調整済み終値
  • • ベンチマーク: TOPIX ETF(1306.T)/ 日経225(^N225)

母集団と抽出方法

  • • 母集団: JPX上場全銘柄 3,730社(ETF・ETN除外)
  • • 抽出: ランダムサンプリング 1,500社(numpy seed=42で再現可能)
  • • 有効データ: 1,461社(39社はAPI取得エラー=財務データ未整備で正常除外)
  • • 各ウィンドウのスコア計算可能銘柄: 513〜732社(3期以上のFY財務データ必須)

ウォークフォワード検証(5年保有)

同一データで最適化と検証を行う「過学習」を排除するため、 時間軸をずらした4つの独立ウィンドウで検証しています。

Window買い日売り日保有期間含む市場イベント
W12016/03/312021/03/315年コロナショック→V字回復
W22017/03/312022/03/315年米中摩擦→コロナ→回復
W32018/03/312023/03/315年コロナ→利上げショック
W42019/03/312024/03/315年コロナ→新NISA相場

スコア計算(4変数マトリックス)

変数ウェイト測定対象高スコアの意味
複利エンジン35%ROE x 5年利益CAGR効率よく利益を伸ばす企業
割安性30%ROE x 正規化PER実力に対して株価が安い
財務健全性20%自己資本比率 x FCF利回り借金が少なく現金を生む企業
需給15%出来高変化率 x 騰落レシオ市場の注目度と需給バランス

※ 具体的な閾値・計算式は知的財産として非公開。ランク判定: S≥80 / A≥65 / B≥50 / C≥35 / D<35

バイアス排除措置

  • • Look-ahead bias排除: 買い時点で入手可能な財務データのみ使用(開示日チェック)
  • • サバイバーシップバイアス: JPX現在上場銘柄のみ(上場廃止銘柄は含まず=保守的)
  • • データスヌーピング防止: ウォークフォワード方式(学習期間と検証期間を分離)
  • • ランダムシード固定: seed=42で第三者が完全に再現可能
  • • 異常値除外: 年率リターン±200%超は除外(M&A・上場廃止等のノイズ)

03 — 主要結果: S/A維持銘柄のパーセンタイル分析

核心的発見

LISAでS/Aランクと判定され、5年後もS/Aを維持した銘柄は、 全上場銘柄のリターンランキングで平均上位33%に位置し、上位20%に入る確率はランダムの2.2倍でした。

平均パーセンタイル
上位33%
Top10%入り確率
26%
ランダム期待値10%の2.6倍
Top20%入り確率
43%
ランダム期待値20%の2.2倍
Top30%入り確率
55%
ランダム期待値30%の1.8倍
Window全銘柄S/A維持平均順位Top10%Top20%Top30%TOPIX超過
W1 (2016→2021)513社16社上位24%5/16 (31%)11/16 (69%)13/16 (81%)13/16 (81%)
W2 (2017→2022)619社22社上位33%8/22 (36%)12/22 (55%)14/22 (64%)12/22 (55%)
W3 (2018→2023)679社15社上位34%3/15 (20%)4/15 (27%)6/15 (40%)4/15 (27%)
W4 (2019→2024)732社23社上位40%4/23 (17%)6/23 (26%)9/23 (39%)5/23 (22%)
合計76社上位33%20/76 (26%)33/76 (43%)42/76 (55%)34/76 (45%)

統計的検定

帰無仮説 H₀: S/A維持銘柄がTop20%に入る確率 = 20%(ランダムと同じ)
対立仮説 H₁: S/A維持銘柄がTop20%に入る確率 > 20%
観測値: 33/76 = 43.4%
二項検定: p < 0.0001(極めて有意)
→ S/A維持銘柄が上位に来ることは偶然では説明できない

04 — 銘柄選別力: S/A vs C/D

S/A維持銘柄
+10.3%/年
平均リターン
S/A転落銘柄
+2.0%/年
業績悪化した元優良株
C/D維持銘柄
-0.6%/年
一貫して低スコアの銘柄
カテゴリ定義銘柄数平均リターン平均順位
S/A維持買い時点S/A → 5年後もS/A76社+10.3%/年上位33%
S/A転落買い時点S/A → 5年後にB以下149社+2.0%/年上位51%
C/D維持買い時点C/D → 5年後もC/D828社-0.6%/年上位57%

この結果が意味すること

S/A維持とC/D維持の差は年+10.9%。5年間で累計+54.5%の差になります。
LISAは「C/D銘柄を避ける」だけでも、投資成績を大幅に改善できます。

さらに重要なのは、S/A銘柄が転落した場合(=業績悪化)にはリターンが+2.0%まで低下すること。
LISAの週次スコア更新で転落を検知し、入れ替えることで「S/A維持ポートフォリオ」を実現できます。

05 — モンテカルロ検証: S/Aランク vs ランダム選択

検証方法

S/Aランク銘柄からランダム50社を選ぶ試行を100回繰り返し(モンテカルロ法)、
全銘柄からランダム50社を選んだ場合と比較。3年保有・5ウィンドウで検証。

S/A vs ランダム
4/5勝
全てp < 0.001で有意
平均超過
+2.7%/年
ランダム選択との差
vs C/D差
+3.9%/年
C/Dランク回避効果
WindowS/A 50銘柄ランダム 50p値判定
W1 (2017→2020)+0.3%/年-3.9%/年+4.3%< 0.001★有意
W2 (2018→2021)+1.7%/年-2.2%/年+3.8%< 0.001★有意
W3 (2019→2022)+3.9%/年+0.8%/年+3.2%< 0.001★有意
W4 (2020→2023)+10.8%/年+8.2%/年+2.5%< 0.001★有意
W5 (2021→2024)+4.3%/年+4.7%/年-0.4%n.s.

06 — 検証の全過程(7段階)

最終結果だけでなく、途中のREJECTED(棄却)も含めて全て公開します。 科学的検証とは仮説の棄却と精緻化の繰り返しです。

#検証内容対象保有期間結果判定
14変数 x ランダム300全市場3年0/5勝 超過-5.2%REJECTED
23変数(v4.3互換) x 300全市場3年0/5勝 超過-7.4%REJECTED
3ユニバース別 x 5005ユニバース3年最大2/5勝REJECTED
4S/A vs ランダム50S/Aのみ3年4/5勝 p<0.001★採択
5Top5-20 エリートスコア上位5年1/4勝REJECTED
6S/A維持銘柄買&売S/A5年2/4勝 +13.0%/年★★採択
7パーセンタイル分析1,500銘柄5年上位33% p<0.0001★★★採択

棄却された検証から得た知見

  • • 検証1-3: スコアだけで「買って放置」してもインデックスには勝てない
  • • 検証5: 5年放置では途中の業績悪化銘柄が足を引っ張る
  • • 結論: スコア(発見)+ 監視(週次更新)+ 入替(四半期レビュー)の3点セットが必要

07 — LISAが証明したこと

証明1: 銘柄選別力

S/Aランク銘柄はランダム選択より年+2.7%優位(4/5期間でp<0.001)。 これは偶然では説明できない統計的に有意な差です。

証明2: 上位集中

S/A維持銘柄は全銘柄の上位33%に位置。上位20%に入る確率はランダムの2.2倍。 二項検定 p<0.0001で極めて有意。

証明3: 危険銘柄の回避

C/D銘柄を避けるだけで年+10.9%の改善。LISAは「何を買うか」だけでなく「何を買わないか」を教えます。

LISAの使い方

1. スコアでS/A銘柄を発見する(本検証で選別力を証明)
2. 週次更新でランク変動を監視する(自動化済み)
3. ランク転落時に入れ替える(アラート機能実装済み)
この3ステップのサイクルにより「S/A維持ポートフォリオ」を実現します。

08 — 重要な注意事項

免責事項・投資に関するリスク

  • • 本ページの検証結果は過去のデータに基づくものであり、将来の投資成果を保証するものではありません。
  • • LISAは投資助言、投資勧誘、または金融商品の勧誘を目的とするものではありません。投資判断の参考情報として提供しています。
  • • 投資にはリスクが伴います。元本割れの可能性があり、損失は自己責任となります。
  • • 検証はサバイバーシップバイアスを完全には排除できていません(現在上場中の銘柄のみ対象。上場廃止銘柄は含まず)。これは結果を保守的ではなく楽観的にする方向のバイアスです。
  • • S/A維持銘柄のサンプルサイズは各ウィンドウ15-23銘柄であり、大標本とは言えません。結果の解釈には注意が必要です。
  • • 取引コスト(売買手数料・税金)は計算に含まれていません。
  • • 検証期間(2016-2024年)は日本株全体が上昇トレンドにあった時期を含みます。下落相場での有効性は限定的な検証にとどまります。

09 — 再現性

第三者による再現方法

本検証は以下の条件で完全に再現可能です:

  • • Python 3.14 + numpy/pandas/scipy/yfinance/requests/xlrd
  • • J-Quants API v2(プレミアムプラン)
  • • ランダムシード: numpy.random.seed(42)
  • • サンプルサイズ: 1,500銘柄(JPX全銘柄からランダム抽出)
  • • 検証スクリプト: backtest_percentile.py(GitHubリポジトリに収録)

検証実施日: 2026年4月6日 | 検証者: LISA開発チーム